Journal of Traditional Medicines
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Review: Incentive Award, 2012
The essence of jyuku-daiou and shu-daiou
Misato Doui-Ota
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2013 年 30 巻 2 号 p. 51-55

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抄録

中国では, 目的とする薬効の向上や副作用低減を目的に, 大黄には主に酒製や蒸製の修治が施されてきた。 現在の 『中華人民共和国薬典』 には, 「酒大黄」 と称する酒炒 (酒を吹きかけた後に炙る) 品, 「熟大黄」 と称する酒蒸 (酒を吹きかけた後に蒸す) 品が収載されているが, 修治による効能変化についてはこれまで充分に研究されてこなかった。 本稿では, 本草考証研究と成分研究により熟大黄と酒大黄の本質を調査した。
熟大黄については, 本草考証研究によると, 解毒作用を期待した大黄は酒製の後に蒸したものではなく単に蒸したものであった。 一方, 成分研究から十分量の酒に浸した後に蒸したものは解毒作用が期待できると考えられる。 更に本修治により瀉下作用が低下すると判断できる。
次に酒大黄については, 金元代以降から酒炒品は駆血作用を期待して用いていたと考えられる。 本作用を有する修治大黄は酒を吹きかけた後に加熱して製するべきである。

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© 2013 Medical and Pharmaceutical Society for WAKAN-YAKU
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