Journal of Traditional Medicines
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The effect of anthraquinones in daiokanzoto on increasing the synthesis of sennoside A-metabolic enzyme derived from bifidobacteria
Kento TakayamaTetsuo MoritaNorihiko TabuchiMasahito FukunagaNobuyuki Okamura
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2013 年 30 巻 5 号 p. 215-220

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抄録
大黄甘草湯に含まれるrhein 8-O-β-D-glucopyranoside (RG) やリクイリチン (LQ) のセンノシドA (SA) 代謝促進メカニズムを解明するために SA 代謝変化を検討したところ, RG ならびに RG の非糖部である Rheinは, LQ とは異なるSA 代謝促進メカニズムを有する可能性を示した。 そこで, これらの成分を糞便懸濁液とプリインキュベーションしたところ, RG ならびに Rhein は SA 代謝菌または代謝酵素の誘導に関与することが示唆された。 タンパク質合成阻害剤である puromycin は RG による SA 代謝促進作用を濃度依存的に抑制したことから, RG は SA 代謝酵素タンパク質の合成を亢進することが明らかとなった。 SA の主な代謝菌であるビフィズス菌の培養においても RG による同様の効果が認められ, RG の SA 代謝促進作用は puromycin によって濃度依存的に抑制された。 以上の結果より, RG はビフィズス菌由来の SA 代謝酵素タンパク質の合成を亢進することで SA 代謝を促進することが証明された。
この研究から, RG と LQ は異なった SA 代謝促進メカニズムで大黄甘草湯の下剤活性を増強することが解明され, 単一成分からなる西洋薬とは異なり, 多彩な作用メカニズムを有する複合成分系薬物としての漢方薬の有用性を見出した。
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© 2013 Medical and Pharmaceutical Society for WAKAN-YAKU
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