抄録
MC903の1,5および25 μg/kg/dayを,雄ラットには6週齢より交配前の9週間と交配期間終了までの3週間の計12週間,雌ラットには9週齢より2週間と交配期間および交尾確認後妊娠7日まで皮下投与し,親動物の繁殖能および胎児の発生に及ぼす影響について検討した。25 μg/kg群の雄では,1例に眼球表面の白濁が観察された。投与14日以降体重の増加抑制あるいは減少が認められ,摂餌量は投与52日以降有意な低値を示した。また,腎臓重量の増加が認められた。25 μg/kg群の雌では,投与期間を通じて体重の増加抑制が認められ,摂餌量は投与初期に増加抑制傾向が認められた。MC903投与が親動物の繁殖能に影響を及ぼすことはなかった。MC903投与による着床阻害作用,胚・胎児の致死作用は認められなかった。また,胎児に対する発育抑制作用および催奇形作用も認められなかった。以上の結果から,本試験におけるMC903の親動物に対する一般毒性学的無毒性量は5 μg/kg/day,親動物の繁殖能力に対する無毒性量は25 μg/kg/day,胎児の発生・発育に対する無毒性量は25 μg/kg/dayであると推定された。