抄録
MC903の6.25,12.5および25 μg/kg/dayを,Slc:SD系のラットの器官形成期に皮下投与し,母動物,胎児(F1)および出生児(F1)に及ぼす影響を検討した。1. 母動物では,25 μg/kg群において摂餌量の有意な減少および体重に増加抑制傾向がみられた。いずれの投与群においても一般状態に異常は観察されず,剖検および器官重量にも影響は認められなかった。2. 胎児(F1)では,骨格検査で,25 μg/kg群において頸椎体の骨化数に有意な減少が認められ,発育抑制作用が示唆された。しかし,胚・胎児に対する致死作用および催奇形作用は認められなかった。3. 出生児(F1)では出生率,生存率,体重増加,発育分化,感覚機能・行動・学習の検査,外表・内臓・骨格検査,生殖能およびF2胎児の発生に影響は認められなかった。以上の結果から,本試験条件下におけるMC903の母動物に対する一般毒性学的無毒性量は12.5 μg/kg/day,胎児に対する無毒性量は12.5 μg/kg/day,出生児に対する無毒性量は25 μg/kg/dayであると推定された。