The Journal of Toxicological Sciences
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ガドベン酸ジメグルミン製剤(E7155)の一般毒性試験 (第1報) : ラットにおける静脈内および槽内投与による単回投与毒性試験
知本 忠士佐神 文郎TIRONE PieroMORISETTI AlbertoBUSSI Simona
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1999 年 24 巻 SupplementI 号 p. 1-6

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抄録
ガドベン酸ジメグルミン製剤(E7155)の3.3,4.5,6.0および8.0mmol/kgを6ml/分の投与速度あるいは7.50,8.89,10.54および12.50mmol/kgを1ml/分の投与速度でラットにそれぞれ単回静脈内投与し,生死の有無および一般状態を観察し2週間後に剖検し,その安全性を評価した。また,E7155の0.15,0.21,0.29および0.40mmol/kgを槽内に単回投与し,同様に安全性を評価した。 投与速度6ml/分による静脈内投与では,6.0mmol/kg群で筋攣縮,呼吸抑制および虚脱,3.3および4.4mmol/kg群で呼吸困難ならびに鎮静が認められ,6.0mmol/kg以上の群では投与後1分以内に死亡が認められた。LD50値は雄で7.97mmol/kg,雌で6.22mmol/kgであった。剖検では死亡動物および生存動物ともに異常は認められなかった。 投与速度1ml/分による静脈内投与では,7.50mmol/kg以上の群で浅速呼吸,筋攣縮および鎮静,8.89mmol/kg群で呼吸停止が認められ,8.89mmol/kg以上の群では投与後1分以内に死亡が認められた。LD50値は雄で9.0mmol/kg,雌で9.7mmol/kgであった。剖検では死亡動物で肺出血が認められたが,生存動物では異常は認められなかった。 槽内投与では,0.15mmol/kg以上の群で鎮静,よろめき歩行,呼吸困難,筋攣縮および運動失調,0.21mmol/kg群で虚脱,前肢および後肢あるいはどちらかの麻痺並びに紅涙,0.29mmol/kg以上の群で痙攣が認められ,0.21mmol/kg群で投与後7日以内に,0.29mmol/kg以上の群では投与後5分以内に死亡が認められた。LD50値は雄で0.42mmol/kg,雌で0.25mmol/kgであった。剖検では0.21および0.29mmol/kg群で栄養状態の悪化(削痩),0.21および0.40mmol/kg群の死亡動物で肺にうっ血が認められた。その他の死亡動物および生存動物では異常は認められなかった。
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