産業医科大学第一病理学教室
1979 年 1 巻 1 号 p. 69-75
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これまで飲酒と食道癌との関係を実験的に研究し, また, 大酒家剖検例の肝と膵の病変を調査した報告の紹介である。食道では酒類に含まれるエタノールが発癌性芳香族炭化水素の溶媒となって粘膜内滲透を助長し, 発癌に関与すると考えられる。他方, エタノールだけの投与では発癌はみられなかったが, 日本酒およびその蒸溜残渣にはクロトン油に匹敵する程度の発癌促進作用が認められた。また, 大酒家29剖検例の調査では, 1例の食道癌の他に肝硬変症や膵炎はみられたが, それら臓器の癌は認められなかった。
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