Journal of UOEH
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経皮吸引針生検法による肺の腫瘤性病変の診断
中田 肇西谷 弘大野 正人木本 龍也松浦 啓一
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1979 年 1 巻 2 号 p. 155-159

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抄録
1976年7月から1978年10月の間に, 肺の腫瘤性変化を示した30症例に合計32回の経皮吸引針生検を行い, 結果の判明した27例について分析し検討した。
1)肺癌17例中15例(88%)に確診をつけることができた。悪性胸腺腫の2例, 肺転移1例および心外膜のう腫1例も確診できた。
2)炎症性腫瘤6例のうち1例には, クリプトコッカスを証明し診断の根拠となった。
3)合併症の主なものは気胸で32回中9回(28%)に起こり, その1例にはエラスタ針挿入による脱気を必要とした。
4)この検査法は肺の腫瘤性病変の診断に非常に有用であり, 患者に与える苦痛も少なく, その施行は簡単である。
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© 1979 産業医科大学
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