Journal of UOEH
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アルギニンバソプレッシン受容体結合に対する薬剤の効果
牟田 俊幸
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1988 年 10 巻 4 号 p. 391-401

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抄録
ウイスターラットの尿細管基底膜側細胞膜をPercollによる密度勾配で分離し, その細胞膜標品を用いた³H-Arginine vasopressin(AVP)レセプターアッセイ法を確立した. さらに各種薬剤のAVP-受容体結合に与える影響を検討した. AVPアナログでは受容体と³H-AVPとの結合をAVP>LVP≧dDAVP>Oxytocinの順で抑制した. 腎に作用して水排泄に影響することが知られているフッ素, cyclophosphamide, mechlorethamineはAVP-受容体結合に影響を与えなかった. ChlopropamideはScatchard analysisによるBMAXを変化させなかったが, Kdをcontrol群1.30±0.28nM(n=4, M±SD)よりchlorpropamide群2.69±0.32nM(n=5, M±SD)と有意に(P<0.001)上昇させ, chlorpropamideによりAVPの受容体に対する親和性が低下していた. またLineweaver-Burk PlotによりchlorpropamideはAVPと受容体の結合を拮抗的に阻害するものと考えられた.
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© 1988 産業医科大学
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