三菱化成病院皮膚科
産業医科大学皮膚科学教室
1989 年 11 巻 2 号 p. 189-192
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75才男子, 24年間コークス炉作業に従事, 退職後15年経って右手背に腫瘤が出現した. ピッチアカントーマの臨床診断で腫瘤を切除し病理組織検査したところ, 一部に有棘細胞癌の組織像が見られた. コークス炉では直接タールを扱うことはないが, 気化したタール成分に触れ, タールによる皮膚障害を起こしたと考えられる. 皮膚に付着したタールは入浴でも簡単には落ちず, 長期間にわたり発癌の危険があると考えなければならない. この症例は, 離職後もタール作業者の健康管理を続けていく必要性を示している.
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