Journal of UOEH
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顆上型長下肢装具により歩行障害が改善したポリオ後症候群の1症例
君島 康一蜂須賀 研二緒方 甫田中 正一田島 文博
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1991 年 13 巻 3 号 p. 251-255

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抄録
症例は69歳の女性で, 1歳時にポリオに罹患し右下肢の弛緩性麻痺を生じ跛行を認めたが歩行障害は軽度であった. 六十数年の経過の後に右下肢筋の筋力低下, 歩行時の膝折れ, 筋痛, 関節痛を生じポリオ後症候群と診断された. 顆上型長下肢装具を作製し, 温熱治療, 関節可動域訓練, 低負荷の筋力強化訓練からなるリハビリテーションによって歩行障害が改善した. 本症例は廃用(disuse)と過用(overuse)がポリオ後症候群発症の誘因の一つとなった可能性があり, 日常生活の適度な活動性を維持し廃用性筋萎縮を予防するとともに, 杖や装具を利用して過用による筋障害や関節障害を避けることが重要と考えられた.
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© 1991 産業医科大学
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