Journal of UOEH
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ラット尿中ジクロロプロパノール代謝物の同定および定量
古賀 実井上 尚英今津 和彦山田 紀子篠木 裕子
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1992 年 14 巻 1 号 p. 13-22

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抄録
ジクロロプロパノール(1,3-ジクロロ-2-プロパノール, DC2P, および2,3-ジクロロ-1-プロパノール, DC1P)をラットに投与し尿中代謝物の同定, 定量を行った. DC2PおよびDC1P, 100mg/mlの生理食塩水溶液を作成し, 体重約160gのウイスター系雄性ラットに10mgを皮下投与した. 投与後, 24時間の尿を採取し, 尿中DC2P, DC1Pは酢酸エチルで抽出し, ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC/MS)を用い定量した. DC2P,DC1Pの尿中代謝物として, 3-クロロ-1,2-プロパンジオール(3CPD), 2-クロロ-1,3-プロパンジオール(2CPD)および1,2-プロパンジオール(PPD)が尿中に検出された. 尿中ジオールはアセトニトリル抽出後, 4-ブロモフェニルホウ素酸により誘導体化し, GC/MSで同定, 定量した. ジクロロプロパノールは生体内で水酸化反応を受け3CPD, 2CPDさらにPPDへと代謝され尿中に排泄されることがわかった.
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© 1992 産業医科大学
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