アクリルアミドの脳クレアチンキナーゼ(creatine kinase, 以下CK)活性への影響について調べた.
In vitroでは, ヒト脳由来の精製CK活性は, アクリルアミドおよびビスアクリルアミドによって量依存性に同程度に抑制された. CK活性の阻害は両物質とも非競合型であった.
In vivoではアクリルアミド曝露群ラットで後肢の異常肢位および歩行障害が認められた. 脳CK活性の部位別の比較で, アクリルアミド総投与量150mg/kg体重で, 小脳虫部, 大脳皮質, 視床下部のCK活性は同程度に抑制されたが, 300mg/kg体重では, 視床下部での抑制は小脳虫部, 大脳皮質に比べて大きかった. 総投与量400mg/kg体重における視床下部での抑制は, 線条体を除く6部位と比べて大きかった. ビスアクリルアミド曝露群ラットで体重減少は認められたが, 後肢の異常肢位, 歩行障害および脳CK活性抑制は認められなかった. [
14C]アクリルアミド投与後24時間の
14C脳内分布に, 部位別に大きな差は認められなかった. 52週令ラットは, 8週令ラットに比べて少量のアクリルアミド曝露で死亡したが, アクリルアミドによる脳CK活性抑制の差は認められなかった. ラット脳のCK比活性はヒト脳での分布によく類似していた. アクリルアミドによる中枢神経障害を, 脳CK活性の観点より論じた.
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