Journal of UOEH
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14 巻, 1 号
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  • 久岡 正典, 原武 譲二, 山元 修
    原稿種別: 原著
    1992 年14 巻1 号 p. 1-12
    発行日: 1992/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    妊娠11日から19日の胎児および新生児ラットの膵を光顕および電顕的に観察した. 膵は妊娠12日に前腸の未熟上皮から発生する二つの上皮胞巣性原基(腹側および背側膵原基)として認められ, 周囲を豊富な胎児間葉組織で被われていた. 同時期に主にA細胞性分泌顆粒を有する細胞から成る原始膵島も原基内に認められた. その後上皮胞巣は次第に伸長し, 分枝した索状構造を呈した. 15日に二つの原基は一つに癒合し, 17日にかけて明瞭な管状構造を示した. 酵素原顕粒を伴う外分泌細胞の腺房構造は17日から19日に発達し, 生後は膵実質の著明な増生と間葉組織の減少が認められた. 初期の膵原基上皮は基底膜を有するが細胞間接着装置は不明瞭で未熟な上皮性格を示し, 後に外分泌組織で見られる管状構造への, 膵始原上皮細胞の細胞分化における可塑性が暗に示された. また基底膜と共に, 胎児間葉組織も膵発生における形態形成を誘導する可能性が推察された.
  • 古賀 実, 井上 尚英, 今津 和彦, 山田 紀子, 篠木 裕子
    原稿種別: 原著
    1992 年14 巻1 号 p. 13-22
    発行日: 1992/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ジクロロプロパノール(1,3-ジクロロ-2-プロパノール, DC2P, および2,3-ジクロロ-1-プロパノール, DC1P)をラットに投与し尿中代謝物の同定, 定量を行った. DC2PおよびDC1P, 100mg/mlの生理食塩水溶液を作成し, 体重約160gのウイスター系雄性ラットに10mgを皮下投与した. 投与後, 24時間の尿を採取し, 尿中DC2P, DC1Pは酢酸エチルで抽出し, ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC/MS)を用い定量した. DC2P,DC1Pの尿中代謝物として, 3-クロロ-1,2-プロパンジオール(3CPD), 2-クロロ-1,3-プロパンジオール(2CPD)および1,2-プロパンジオール(PPD)が尿中に検出された. 尿中ジオールはアセトニトリル抽出後, 4-ブロモフェニルホウ素酸により誘導体化し, GC/MSで同定, 定量した. ジクロロプロパノールは生体内で水酸化反応を受け3CPD, 2CPDさらにPPDへと代謝され尿中に排泄されることがわかった.
  • 岡野 龍介, 三田 隆, 松井 隆司
    原稿種別: 原著
    1992 年14 巻1 号 p. 23-31
    発行日: 1992/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ラミニンB1遺伝子の発現は, レチノイン酸によるテラトカルシノーマF9細胞の分化後, 約24-48時間に誘導される .この誘導機構を理解するためには, 遺伝子プロモーターの構造を解析することが不可欠である. 全ゲノムPCR法を用いることによって, 我々はラミニンB1遺伝子のプロモーター領域を効率的にクローニングすることに成功した. PCRでのMgイオン濃度はホルムアミドに比べて特異的なDNAの増幅に大きな影響を与え, その至適濃度が1.0mMであることが明らかになった. 一方, アニーリング温度(51℃-63℃)はDNA増幅量に有意な影響を与えなかった. 至適条件下では, 全ゲノムDNA1μgから約50ngの特異的なDNAが得られ, 約2×105倍に増幅されたことが示された. サザンブロット解析と塩基配列決定から, この増幅されたDNAがラミニンB1遺伝子のプロモーター領域を含むことを確認した.
  • 藤代 一也, 井上 尚英, 森 晃爾, 今津 和彦
    原稿種別: 原著
    1992 年14 巻1 号 p. 33-38
    発行日: 1992/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    雄性マウスに対し, 400ppmの濃度の酸化エチレンを1日6時間, 週3日, 13週間吸入曝露し, 血液検査および肝薬物代謝酵素系への検索を行った. 臓器重量では, 相対重量で肝, 脾重量に変化はみられなかったが, 腎重量は増加し, 精巣重量は有意に低下した. 血液学的には大球性低色素性の貧血を認めたが, 白血球数, 血小板数に有意な変化はみられなかった. 肝モノオキシゲナーゼ系ではシトクロームP-450量が増加し, NADH-フェリシアナイド レダクターゼ活性が上昇していた. 一方, シトクロームb5量, プロトヘム量, NADPH-シトクロームCレダクターゼ活性は曝露群と対照群で有意な差はなかった. 肝グルタチオン代謝系ではグルタチオン レダクターゼ活性およびグルタチオン ペルオキシダーゼ活性が低下し, グルタチオン-S-トランスフェラーゼ活性が上昇していた.
  • 稲富 久人, 杉田 篤生, 寺嶋 廣美, 吉浦 隆雄, 欅田 尚樹, 法村 俊之, 土屋 武彦
    原稿種別: 原著
    1992 年14 巻1 号 p. 39-45
    発行日: 1992/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    前立腺は, 深部局所加温に最も適しているRF誘電型加温においても, 加温の最も困難な部位の一つである. 我々は, 8MHzRF加温装置(Thermotron-RF8)に接続できる, 新しいタイプのRF波腔内アプリケータを開発した. このアプリケータは, 先端がバルーンとなったカテーテルで, バルーン内に生理食塩水, 3%食塩水, 3%塩化第一鉄溶液を充塡し, 通常のRF誘電型加温に用いる2つの電極の間において用いた. アプリケータの加温特性を, 筋肉等価寒天ファントムを用いて検討した. アプリケータを高周波リード線(銅線)を用いRF加温装置の電極と接続した時, 電解質溶液で充塡したバルーンは内部電極としての働きをし, バルーン周囲に効果的な高温域が観察された. 高温域の大きさは電解質溶液の種類, 濃度によって変化した. この加温法は, 子宮, 膀胱, 直腸などの内腔を持つ臓器への応用も考えられる.
  • ―部位別の変化と加齢の影響―
    郡山 一明
    原稿種別: 原著
    1992 年14 巻1 号 p. 47-58
    発行日: 1992/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    アクリルアミドの脳クレアチンキナーゼ(creatine kinase, 以下CK)活性への影響について調べた. In vitroでは, ヒト脳由来の精製CK活性は, アクリルアミドおよびビスアクリルアミドによって量依存性に同程度に抑制された. CK活性の阻害は両物質とも非競合型であった. In vivoではアクリルアミド曝露群ラットで後肢の異常肢位および歩行障害が認められた. 脳CK活性の部位別の比較で, アクリルアミド総投与量150mg/kg体重で, 小脳虫部, 大脳皮質, 視床下部のCK活性は同程度に抑制されたが, 300mg/kg体重では, 視床下部での抑制は小脳虫部, 大脳皮質に比べて大きかった. 総投与量400mg/kg体重における視床下部での抑制は, 線条体を除く6部位と比べて大きかった. ビスアクリルアミド曝露群ラットで体重減少は認められたが, 後肢の異常肢位, 歩行障害および脳CK活性抑制は認められなかった. [14C]アクリルアミド投与後24時間の14C脳内分布に, 部位別に大きな差は認められなかった. 52週令ラットは, 8週令ラットに比べて少量のアクリルアミド曝露で死亡したが, アクリルアミドによる脳CK活性抑制の差は認められなかった. ラット脳のCK比活性はヒト脳での分布によく類似していた. アクリルアミドによる中枢神経障害を, 脳CK活性の観点より論じた.
  • ―その原因と病態―
    牟田 好博, 大西 晃生, 山本 辰紀, 橋本 朋子, 村井 由之
    原稿種別: 原著
    1992 年14 巻1 号 p. 59-65
    発行日: 1992/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    本報告では, 産業医科大学病院開設以来, 末梢神経障害を主徴とし, 入院精査を受けた85例の中で, 第一次感覚ニューロンの障害による感覚性失調症を示した4例の臨床・病理学的特徴を明らかにした. 症例1は初発時52歳の女. 慢性進行性失調性感覚性ニューロパチ一例である. 発症9年後の現在, ほぼ全介助を必要とする寝たきり状態である. 症例2は初発時63歳の女. 肺の小細胞癌による癌性感覚性ニューロパチ一例である. 抗癌剤治療による神経症状の改善は認められず, 発症2.4年後に死亡した. 両例の病変の主座は脊髄後根神経節神経細胞体と判断された(症例2では剖検により確認). 症例3と4は, それぞれ54歳と45歳の男. 失調型急性多発根神経炎例である. 症例3では発症5.5年後の現在も軽度の失調性歩行が認められる. 感覚性失調症は, 患者のADL(activities of daily living)を規定する一つの重要な症候であり, その原因診断と治療に際して各症例毎に詳細な検討が必須である.
  • 岩佐 敏生, 阿部 亨, 平松 紘一, 久堀 周治郎, 井上 尚英, 藤代 一也, 古賀 実
    原稿種別: 症例報告
    1992 年14 巻1 号 p. 67-71
    発行日: 1992/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ジクロロプロパノール曝露後に劇症肝炎急性型をきたし死亡した1症例を報告する. 症例は, 化学工場に勤務していた59才の男性労働者で, 貯蔵タンク清掃作業後, 数時間後に全身倦怠感, 悪心, 嘔吐をきたした. 入院時, 著明な肝腫が認められた. 血清GOTとGPTの著しい増加, プロトロンビン時間の延長があり, 意識障害をきたしたことから, 劇症肝炎と診断された, 明らかな白血球の減少や血小板の減少がみられた. 血清クレアチニンとBUNも軽度上昇していた. 血漿交換が第3日目と第4日目に施行されたが, 肝機能は悪化した. この症例は第5日目に死亡した. 入院時に得られた血液から, ジクロ口プ口パノールが検出された. 以上より, 本症例にみられた劇症肝炎は, ジクロロプロパノールの曝露による可能性が高いと考えた. 本症例は, ジクロロプ口パノール曝露後に起こった劇症肝炎の最初の報告例である.
  • ―末梢血検査および血液生化学検査について―
    今津 和彦, 藤代 一也, 井上 尚英, 古賀 実, 岩佐 敏生
    原稿種別: 短報
    1992 年14 巻1 号 p. 73-76
    発行日: 1992/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ウィスター系雄性ラットを用いてジクロロプ口パノール(DCPs)の二種の異性体, 1,3-dichloro-2-propanol(DC2P)と2, 3-dichloro-1-propanol(DC1P)の毒性を末梢血検査および血液生化学検査について検索した. DCPs投与群にはDC2P, DC1Pのそれぞれを生理食塩水で100mg/mlに希釈し, その0.1mlを皮下に注射した. 対照群には同量の生理食塩水を投与した. 投与後6時間のDC2P群では, 末梢血検査で白血球数と血小板数の有意な減少を認めた. 血液生化学検査では肝・胆道系酵素の著しい増加とアンモニアの増加がみられた. また, 尿素窒素, クレアチニンの軽度の増加を認めた. DC1P群には異常はみられなかった. これらの結果より, DCPsの二種の異性体の中でも少なくともDC2Pには肝毒性があり, しかも異性体によって差異が存在することが明らかとなった, このことは, 今後DCPs取り扱い作業職場において特にDC2Pには注意して作業環境測定やバイオロジカルモニタリングなどの管理を行う必要性を示すものと思われた.
  • 松岡 雅人, 井上 尚英, 伊規須 英輝
    原稿種別: 短報
    1992 年14 巻1 号 p. 77-81
    発行日: 1992/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ウィスター系雄性ラットに塩化メチル水銀を10mg/kg body weight/day, 7日間連続皮下投与し, 全てのラットで後肢の交叉現象を認めた投与開始後15日目に脳内酵素活性について検討した. creatine kinase(CK)活性は大脳皮質では, 前部, 中部, 後部とも軽度抑制された. aspartate aminotransferaseとlactate dehydrogenase活性もCK活性の抑制とほぼ同程度に大脳皮質で抑制された. 線条体と小脳では, 明らかな酵素活性の抑制は認めなかった. 塩化メチル水銀は, 明らかな脳内CK活性の抑制をきたす酸化エチレンやアクリルアミドとは, 中枢神経障害の発現機序において異なると考えられた.
  • 中谷 智恵
    原稿種別: 報告
    1992 年14 巻1 号 p. 83-86
    発行日: 1992/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 産業医科大学
    原稿種別: 抄録集
    1992 年14 巻1 号 p. 87-115
    発行日: 1992/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 産業医科大学
    1992 年14 巻1 号 p. 117-130
    発行日: 1992/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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