Journal of UOEH
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アルテミアの発生におけるトレハラーゼ遺伝子の発現:2種のアルテミアにおける比較
南部 滋郎田中 晋南部 文子
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1997 年 19 巻 4 号 p. 255-264

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抄録
ホモロジーに基づいてプライマーを設計し, アメリカ産アルテミア胚のcDNAを鋳型としてPCRを行い, トレハラーゼcDNAの断片を増幅した. 得られた断片は228bpで, 76個のアミノ酸からなり, ゴミムシダマシ, ウサギ, C.elegans, カイコおよび大腸菌のトレハラーゼに高い類似性(58-38%)を認めた. この断片をプローブとしてノーザンブロットしたところ, アメリカ産アルテミアでは5.0, 2.7および2.2kbの転写産物を, 中国産では前2者のみを検出した. トレハラーゼ活性と転写産物の発生における変化を両アルテミアで比較検討した結果, 5.0および2.7kbの産物がトレハラーゼの翻訳に直接または間接的に関与していると考えられた. サザンブロットの結果, 両アルテミアにハプロイドゲノムあたり2コピーの遺伝子が存在するか, またはプローブ結合部位にイントロンのある1コピーのトレハラーゼ遺伝子があると考えられた.
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© 1997 産業医科大学
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