抄録
自動車排ガスによる大気汚染のシミュレーションは, 一般に道路を線汚染源(以下線源という)とみなして行われる. その場合に用いられる拡散モデル式は, 基本的に点源式と同一であり, それを道路の形状に治って積分すれば, 線源の拡散式が得られる. 被積分関数には, 風向と密接なかかわり合いがあるパラメータが含まれており, 特別な場合を除いて, 何らかの形で近似計算を行わなければならない. 近似計算のやり方にはさまざまなものがあるが, 精度, 計算時間, データ作りの手間などの面から評価すると, それぞれ一長一短がある. ここでは, 点源近似などいくつかの方式を取りあげ, 大型計算機を用いての具体的な近似計算の方法等について論じる.