Journal of UOEH
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運動トレーニングは安静時血中カテコーラミンとnatural killer細胞活性を増加させる
高原 和雄三浦 靖史高水間 亮治安増 十三也中村 正中島 康秀
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1999 年 21 巻 4 号 p. 277-287

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抄録

運動トレーニングによるfitness, 安静時血中カテコーラミン濃度およびnatural killer細胞活性への影響を検討した.対象は特にスポーツ活動のない健康若年女性(20-22歳)16名である.トレーニングプロトコールとして, 最大酸素摂取量50%相当の運動強度でトレッドミルによるジョギングを1日2時間, 週3回10週間行った.最大酸素摂取量は10週間の運動により33.1±3.4 ml/kg/minから38.3±6.6 ml/kg/minへ有意に増加し(P<0.005), natural killer細胞活性は31.9±14.3%から46.4±18.4%へ有意に増加した(P<0.05).トレーニング前後の安静時epinephrineとnorepinephrineはそれぞれ18.3±8.7 pg/mlと20.4±8.9pg/ml, 134.1±52.2pg/mlと248.1±106.8pg/ml (P<0.005)だった. norepinephrine増加量とepinephrine増加量はそれぞれ最大酸素摂取量増加量と正相関があった(r=0.780, P<0.005; r=0.556, P<0.05).またnatural killer細胞活性増加量とepinephrine増加量は正相関があった(r=0.623, P<0.01).これらの事より我々は若年女性において運動トレーニングは安静時血中カテコーラミンとnatural killer細胞活性を増加させると結論した.

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© 1999 産業医科大学
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