イヌの小腸および大腸を用いた消化管端々吻合の後, 吻合部創傷治癒機転について肉眼的・組織学的観察を行い, さらに断端接合型のGambee吻合と漿膜接合型のAlbert-Lembert吻合に関する比較検討を行った. Gambee吻合・Albert-Lembert吻合ともに吻合部の接合は良好で吻合不全は認めず, 特に粘膜下層における線維芽細胞・膠原線維や新生血管を含む毛細血管の増生が著明であった. 両者の相違点として, Gambee吻合を用いた場合, 層の識別が容易な大腸では消化管壁の層々の癒合が良好で, 特に新生血管や新生結合組織の癒合の場となり, 創傷治癒の主役を果たす粘膜下層の接合に優れ, 組織学的により理想的な吻合方法であると思われた.