抄録
植え込み型除細動器(ICD)の心臓突然死予防効果については多くの大規模臨床試験においてその有用性が証明されている. また, lCD本体の小型化により, ペースメーカーとほぼ同様の手術手技による植え込み手術が可能となり, その適応が拡大されるとともに, 植え込み件数は年々増加の一途をたどっている. 心房リードを用いた第5世代のdual chamber ICDにより, 上室性不整脈に対する誤作動の減少が期待されている. 欧米では心不全に対する両心室ペーシング機能を備えたICDなど様々な機能の統合化された機種が開発され, その有用性が検討されている. しかしながら, 一方ではICDには誤作動の問題・植え込み患者の精神的負担や社会復帰等の問題が今後の課題として残されている.