Journal of UOEH
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中途障害者の復職に関する産業医の役割
筒井 隆夫堀江 正知加地 浩
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2002 年 24 巻 3 号 p. 327-336

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抄録

中途障害者の復職に関する産業医の役割について文献的に調査した. その結果, 産業医は障害発生後, なるべく早期より医療関係者と連携して障害や産業医学的な情報を交換し, 復職時には障害が業務に与える影響の評価や適正配置など産業医学的な判断や指導を行う必要があると考えた. また, 約500万人規模のF県下の障害者雇用, 福祉, 医療に関係する15の機関・施設に対し聞き取り調査を行った. 中途障害者の復職を支援する機関・施設は多数存在したが, F県の場合, 就労面では地域障害者職業センターが, 福祉面では保健福祉センターが主要な相談窓口になっていた. ただし, 一部のサービスは失業者に限定されており, 復職希望者が利用できないものも存在した. 中途障害者の復職を成功させるには, 産業医はこれらの機関と積極的に連携し社会的資源を活用する必要があると考えた.

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© 2002 産業医科大学
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