Journal of UOEH
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画面サイズと課題難易度が高齢者の計器監視作業遂行能力に及ぼす影響
橋本 正浩神代 雅晴三宅 晋司
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2003 年 25 巻 4 号 p. 375-386

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抄録

本研究は, 計器監視作業遂行能力に及ぼす加齢影響を実験的に明らかにすることを目的とし, 加えて, この加齢影響がVDTの画面サイズや課題難易度によってどの程度変化するのかについても検討した. 高齢男性および若年男性各20人を対象に, 計器監視課題を60分間負荷した. 課題は難易度の異なる3つのフェーズから構成され, 通常VDT画面もしくは大型スクリーン上で呈示された. 作業遂行能力は, 計器異常の検出に要した時間と見落とし回数により評価した. その結果, 以下の3点が明らかになった.
1. 計器監視作業遂行能力は, 若年被験者に比較して, 高齢被験者で著しく低下した.
2. 作業画面サイズの違いは, 高齢被験者の作業遂行能力にのみ影響を及ぼした.
3. 作業画面サイズの影響は課題難易度の増加に伴い拡大した.
これらの結果から, 画面サイズと課題難易度は, 高齢者の計器監視作業遂行能力に影響を及ぼす要因であることが示唆された.

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© 2003 産業医科大学
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