Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
北九州市八幡地区における前立腺癌検診 ― 10年間の検診結果
藤本 直浩原田 修治佐藤 英樹赤坂 聡一郎野村 昌良山田 陽司上野 陽右松本 哲朗
著者情報
キーワード: 前立腺癌, PSA, 検診
ジャーナル フリー

2004 年 26 巻 2 号 p. 239-244

詳細
抄録

近年増加している前立腺癌の早期発見を目的とした前立腺癌検診が各地で行われている. 北九州八幡地区でも1993年より前立腺癌検診を行っており, 2002年までの10年間の検診結果について報告する. 対象は原則として50歳以上の検診希望者で, 一次検診は1996年までは問診, 直腸診, prostate specific antigen(PSA)測定, 経直腸的超音波検査を行い, 1997年以後は問診とPSA測定のみを行った. 受診料は無料である. 二次検診は各医療機関の泌尿器科で行い, 検診内容は泌尿器科医の判断で行った. 10年間で延べ903人の検診を行い, 6人(0.64%)が前立腺癌と診断され, その内5人は局所限局癌であった. 今後, 検診受診者数を増加させること, 二次検診受診率を向上させること, 生検を含めた二次検診内容の統一, さらに検診が本当に前立腺癌の予後の改善, 死亡率低下につながるものか検証していく必要がある.

著者関連情報
© 2004 産業医科大学
前の記事 次の記事
feedback
Top