2004 年 26 巻 4 号 p. 411-421
本研究では, 仕事での身体活動度の違いが体力に及ぼす影響, および12週間の生活習慣修正指導(介入指導)が体力や仕事の満足度, 自覚症状に及ぼす効果について解析を行った. 対象は男性労働者49名とした. 体力測定と自記式の問診票(仕事や余暇での活動量, 自覚症状, 仕事に対する満足度)を介入前後で実施した. 仕事での身体活動度の違いでActive work group(A群)とSedentary work group(S群)の2群に分け分析した. A群はS群に比べ全身持久力と平衡性が優れ, 疲労感はS群の方が多い傾向にあった. 介入効果は, A群では柔軟性と筋力が, S群では全身持久力, 柔軟性, 筋持久力が増加した. また, S群では疲労感や肩こりの改善, 仕事の満足度の増加を認めた. A群ではこれらの効果を認めなかったが, 体力の増強は自覚症状の軽減や仕事の満足度の増加を導く結果を得た. 仕事での身体活動度は体力形成に寄与し, 余暇を活用した生活習慣修正指導は体力を改善することを通して, ワークアビリティーを増加させることに寄与すると考えられた.