Journal of UOEH
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暑熱環境下での下肢運動における下肢冷却服の体温上昇抑制効果
筒井 隆夫井戸田 望永野 千景堀江 正知曽我部 靖博門司 幸一
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キーワード: 暑熱, 冷却服, 運動, 体温, 熱中症
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2005 年 27 巻 1 号 p. 63-71

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抄録

暑熱環境下で下肢の運動を行う際の体温上昇の抑制には, 産熱源である下肢の冷却が有効と考えられるが, こうした際の下肢冷却服の有効性は明らかでない. 本研究では, 下肢に冷却服を着用して冷却する条件, 冷却服を着用するが冷却しない条件, 冷却服の代わりに短パンを着用する3つの条件を比較した. 5名の被験者に対し, WBGT = 31.5℃の測定条件下で, 75Wの下肢運動と休憩を3回繰り返させ, 平均皮膚温, 食道温, 心拍数を測定して, 下肢冷却服の冷却効果を検討した. その結果, 下肢に冷却服を着用して冷却する条件では, 冷却服を着用するが冷却しない条件に比べて, 食道温と心拍数が低くなり, 短パンを着用する条件と同程度であった. したがって, 暑熱環境下の労働で作業服を着用しなければならない条件において, 下肢冷却服が体温の上昇を短パン着用時と同程度に抑制する効果が期待できると考えられた.

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© 2005 産業医科大学
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