抄録
高速液体クロマトグラフィーによる多環芳香族炭化水素(PAH)の簡易分析法について研究を行った. PAHの保持時間の対数とカラムの絶対温度の逆数との間に直線関係が得られ, またPAHの構成炭素数および二重結合数と保持時間の対数との間にもほぼ直線関係のあることが判った. 螢光法を用いたPAHの検出限界(S/N=2)は4-55pgであった. 分光螢光検出器付き高速液体クロマトグラフィーによって, 大気浮遊粉じんおよび降下じん中より11種のPAHが同定された. さらにその中のベンゾ(a)ピレンを含む5種のPAHを精度よく定量出来ることが明らかになった.