抄録
歩行支援ロボットは, 歩行障害を有する患者の歩行練習を支援することを目的として開発された装置である. 歩行支援ロボットの特徴は, 立位・歩行が困難であっても装置が体幹を支持して, ロボットアームが両側大腿, 下腿部を自動制御し, 各種測定機構とバイオフィードバック機構を有することで, ほぼ正常に近い歩行が可能となることである. その操作は省力化されていることが特徴である. 重度の歩行障害を有する中枢神経障害患者や末梢神経障害患者に適応があり, 臨床使用上, 歩行能力の改善を認め, 安全上の問題もなかった. 歩行支援ロボットを臨床で用い有用であった脳卒中片麻痺, 軸索型ギランバレー症候群, 脊髄不全損傷の3症例を提示する.