Journal of UOEH
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悪性胸膜中皮腫の治療経験
浦本 秀隆下川 秀彦馬場 哲郎重松 義紀永田 好香小野 憲司竹之山 光広花桐 武志
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2010 年 32 巻 3 号 p. 257-264

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抄録
悪性胸膜中皮腫は近年増加傾向にある. 早期発見は困難であり, 予後は極めて不良である. 当科で経験した悪性胸膜中皮腫28例について後方に解析した. 2例を除き男性であり, 平均年齢64.5歳. 胸膜肺全摘術を施行した症例が12例, 生検を施行した症例が16例. 組織型は, 上皮型 / 二相型 / 肉腫様型がそれぞれ14 / 8 / 6例であった. IMIG Stage Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ, Ⅳはそれぞれ3, 8, 9, 8例であった. 全身化学療法を14例に, 放射線治療を8例に施行した. 1年以上生存は11例のみで中間生存期間は8.7ヶ月であった. 全症例の2年生存率は25.7%. 化学療法または放射線治療例は未施行例より予後良好であったため, 手術だけにとどまらず, 積極的に集学的治療を検討すべきである.
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© 2010 産業医科大学
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