抄録
作業環境中における有機溶剤蒸気を簡便にリアルタイムで測定する方法を検討するため,薄膜干渉増幅法を利用したセンサーを有するリアルタイムモニターを用いて,わが国で作業環境測定が義務付けられている有機溶剤中毒予防規則の第1種,第2種有機溶剤全52物質(異性体を含む)に対するセンサーの特性を網羅的に検討した.20 l のテドラーバッグに溶剤を1~3 μl注入し,完全に気化させることにより試料を調製した.今回使用した52物質のうち,このモニターがまったく反応しない物質はなかった.トルエン,キシレンなど37物質については原点を通る回帰直線が得られ,作業環境測定への応用の可能性が考えられた.しかし,塩素系の溶剤など15物質については,原点を通らないか,または感度が低く,作業環境測定での利用は難しいと考えられた.