Journal of UOEH
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[症例報告]
アルコール性ケトアシドーシスの急性期に著明な低血糖を呈した1例
松崎 公信白石 渉岩永 育貴山本 明史
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2015 年 37 巻 1 号 p. 43-47

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抄録

症例は55歳,アルコール多飲歴のある男性で,来院の数日前からほとんど食事を摂取していなかった.自宅で突然意識障害を呈し当院に救急搬送された.来院時は意識障害を呈しており,検査所見で著明な低血糖とβ-ヒドロキシ酪酸優位のケトアシドーシスを認めた.生活状況も勘案してアルコール性ケトアシドーシス(AKA)と診断した.ブドウ糖投与と補液で症状は速やかに改善した.AKAは腹痛,悪心,嘔吐などの症状を呈するが,アシドーシスの程度に比して意識清明であることが多いとされる.しかし本症例では,低血糖を合併したために意識障害を呈した.本症例の低血糖の原因として,経口摂取不良の関与が疑われた.アルコール多飲状態では,糖質摂取量の低下,糖新生の抑制,肝グリコーゲンの貯蔵不足などの要因から本症例のように低血糖を生じ,時にAKAと合併する.今回われわれは,AKAに著明な低血糖を合併した症例を経験したため,考察を加えて報告する.

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© 2015 産業医科大学
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