2021 年 68 巻 1 号 p. 35-40
波長 600 nm 以下の光の反射率が極めて低い赤銀色マルチを試作し,ワケネギにおけるアザミウマ類やハモグリバエ類の抑制効果を従来の白色マルチや銀色マルチと比較した。赤銀色マルチはワケネギ上のアザミウマ類の個体数を栽培期間を通じて有意に抑制し,その効果は銀色マルチとはほぼ同等であった。ハモグリバエ類に対する抑制効果は銀色を上回る傾向があった。また,赤銀色マルチではワケネギの生育が促進される傾向にあったが,その理由は赤銀色マルチは特に日中の地温を抑制するためと考えられた。なお,赤銀色マルチの表面に紫外線除去フィルムを貼付することで栽培期間を通じて褪色をほぼ抑制できた。