Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
[論説]
軟性内視鏡ロボットの現況と方向性
久米 恵一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 37 巻 2 号 p. 149-156

詳細
抄録
軟性内視鏡分野のロボット開発は,経管腔的内視鏡手術(natural orifice translumenal endoscopic surgery: NOTES)におけるtissue triangulationを可能にするプラットフォームとして研究が始まった.その後,早期消化管癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection: ESD)の出現・普及により現行の診断目的に開発された軟性内視鏡による治療手技の限界が改めて意識され,上下部消化管内視鏡分野にも治療を目的とした内視鏡ロボットの開発が始まる.軟性内視鏡の先端に両手のように2本のアームが搭載されたものが中心で,把持,牽引,切開,切除,止血などの手技を可能にしたが,ロボット化のメリットを具現した理想的な最終形態は提示されていない.本稿では,軟性内視鏡ロボットの開発状況と筆者の開発したロボットについて概説する.
著者関連情報
© 2015 産業医科大学
前の記事 次の記事
feedback
Top