Journal of UOEH
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産業医科大学卒業生産業医の産業医業務に対する意識の推移-2001年,2008年,2015年調査の比較-
中村 早人一瀬 豊日酒井 昭典
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2017 年 39 巻 1 号 p. 47-54

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抄録

産業医科大学の卒業生について,産業医業務の現状と従事する産業医などの意識を把握する目的から,調査票によるアンケート調査を2001年7月と2008年7月に行い,その結果を報告した((2009)産業医科大学雑誌 31: 281-91).2015年7月に同様のアンケート調査を実施した.産業医科大学卒業生で産業医や労働衛生機関医など産業医学に関与する医師に調査票を送付して回答を依頼した.調査内容は産業医などの経歴や活動内容,業務に対する考え方などの集計を行い下記の結果を得た.1)現在の処遇として給与や職位などは,妥当と考えている割合がそれぞれ38.3,48.1,65.4%と増加していた.2)職位が上がる可能性に関して,職位が上がることはないと回答した割合は,25.3,28.4,32.3%と増加していた.3)上司・産業保健スタッフとの関係は,特に問題はないと回答した割合が70.8,80.3,86.1%と増加していた.2001年7月から7年おきに行った調査から職位が上がることはないと思っている割合は徐々に増加しているものの,上司や産業保健スタッフとの関係は良好で給与や職位など処遇で満足している卒業生産業医の割合は,徐々に増えている実態が明らかとなった.

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© 2017 産業医科大学
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