2017 年 39 巻 3 号 p. 209-213
気管支鏡検査前後のリスクアセスメントは,気管支鏡検査を安全に実施するために重要である.しかし,気管支鏡検査当日の睡眠時の低酸素血症の有無を調べた報告はなく,我々は気管支鏡検査前日と当日の睡眠時の酸素飽和度について検証した.30症例で連続パルスオキシメーターを用いて,気管支鏡検査前日と当日の睡眠時の酸素飽和度低下指数(ODI)を測定した.その結果,気管支鏡検査前日に比べて気管支鏡検査当日の睡眠時の酸素飽和度低下指数(ODI-3%)は有意に上昇し(P < 0.05),気管支鏡検査による低酸素をきたしていた.気管支鏡検査を実施する際には気管支鏡検査中だけではなく,気管支鏡検査後の睡眠時の低酸素血症にも注意すべきである.