Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
神経障害性関節症(Charcot Joint)
―歴史・病態・診断・治療―
伊地知 正光
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 4 巻 2 号 p. 185-198

詳細
抄録

神経障害に合併し, 関節組織が慢性, 進行性に変性, 破壊されてゆく関節疾患をCharcot jointという. この疾患の歴史, 臨床症状, 頻度, 経過, 病理, X線所見を概説した. 原因疾患としては, 脊髄癆, 糖尿病, 脊髄空洞症, 先天性無病覚症の順に多く, 副腎皮質ホルモン剤に誘発された類似の破壊像を呈する関節症も含まれる. 発生機序としては, 関節の障害に対して疼痛がなく, 無防備の状態であるところに外傷の反復により関節破壊が進行するという外傷説が有力である. 部位別の特徴として,足は糖尿病によるものが多く, 膝は脊髄癆, 肩は脊髄空洞症によるものが多い. 鑑別を要するものに, 変形性関節症, 結核などがある. 治療は, 保存的には装具療法しかなく, 観血的には, 関節固定術が良いことを述べた.

著者関連情報
© 1982 産業医科大学
前の記事 次の記事
feedback
Top