Journal of UOEH
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好アルカリ性細菌の脂質の同定, 組成, および代謝
古賀 洋介西原 正照森井 宏幸
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1982 年 4 巻 3 号 p. 227-240

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抄録
好アルカリ性細菌Bacillus sp. A-007の主要な極性脂質は, ホスファチジルグリセロール(PG, 67%), ホスファチジルエタノールアミン(PE, 21%), カルジオリピン(CL, 7%), ビス(モノアシルグリセ口)リン酸(BMP, 4%)であり, 非極性脂質は, ジアシルグリセロールとスクアレン類であった. 他の3株の好アルカリ性Bacillusの脂質組成もこれとよく似ていたが, 1株(A-40-2)だけはBMPを欠いていた. グラム陽性細菌に広く存在するグリセロ糖脂質, リン糖脂質は好アルカリ菌のどれにも全く検出されなかった. これら脂質の脂肪酸は, 飽和枝鎖酸を主体としており, 他のBacillus属細菌と類似していた. PG, PEの脂肪酸のグリセロール骨格上の位置分布はC-1位にC16, C17酸, C-2位にC15酸が多かった. 放射性グリセロールを用いたin vivoでの代謝実験により, PGはCLとBMPの合成の前駆体と推定された.
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© 1982 産業医科大学
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