1982 年 4 巻 4 号 p. 409-415
〔14C〕ベンゾ(a)ピレン(B(a)P), ミクロソーム, NADPH再生系を, 大量のDNAおよびタンパク質とin vitroでインキュベートし, 水可溶性となった代謝産物の総量, および, 活性化された後, DNA, タンパク質などの生体高分子に共有結合した. B(a)Pの量を同時にしかも簡単に測定できる方法を考案した. 正常マウス肝およびPCB処理マウス肝より得たミクロソームで, 時間経過, ミクロソーム量とB(a)Pの代謝活性, PCB処理による代謝活性の亢進などで, この方法の妥当性を確認した. この方法により, 未知の生物材料のミクロソームが, どの程度化学発癌剤を活性化し, DNAと付加物を形成するかを簡便に定量的に評価することができる.