抄録
日本は超高齢化社会の到来や医療の高度化により,卒業後の看護実践力に繋がる能力を身につけさせることが看護基礎教育での重要課題となっている.この課題への教育実践として客観的臨床能力試験(objective structured clinical examination: OSCE)の導入が看護系大学で試みられている.本学看護学科でも2014年より,3年次前期に臨地実習に向けた統合科目の中で,臨床場面を想定し,既習の知識と技術を用いたOSCEを実施し,学生自身が臨地実習に臨む上での自己課題を明確にできるように学習支援を行っている.OSCEに向けた学習支援には学習ポイントの提示などにe-ラーニングを活用し,学生の主観的評価からは学習意欲の向上に一定の効果が認められた.しかし試験方法について,年度ごとに新たな課題があるため,毎年修正を加えている.2017年で3回目となったが,本稿では2015年度の成人看護学(急性期)のOSCEの実践と,1. OSCEに向けた学習支援としてe-ラーニングを用いた有効性,2. 状態観察後の受験者の報告に関する問題点,3. 少ない人的資源の中でのOSCEの運営上の工夫と今後の課題について報告する.