2019 年 41 巻 1 号 p. 41-49
がん患者の家族のもつ負担は大きく,家族も看護の対象と捉え,早期からの介入が必要であることが指摘されてきた.しかし,がん患者の大半が入退院している一般病棟におけるがん患者の家族ケアは課題が山積している.一般病棟の看護師は家族ケアの必要性は理解している一方で,時間的制約や人的労働力不足,さらにはケアの方法がわからないなどの理由により家族ケア実践が不十分な現状にある.近年,看護師の時間外労働などが問題視され,看護師の現任教育については労働時間内で実施することが推奨されている.このような背景のもと,「一般病棟におけるがん患者の家族ケアに関する学習プログラム」を開発した.本稿では,この学習プログラム,および作成過程について報告する.