Journal of UOEH
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DPCデータを用いた日本における新生児DICの発生と院内死亡率
荒木 俊介冨岡 慎一大谷 誠菅 秀太郎市川 俊松田 晋哉伏見 清秀楠原 浩一白幡 聡
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2019 年 41 巻 3 号 p. 295-302

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抄録

日本における新生児播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation: DIC)の発生率は不明であり,今回われわれは診断群分類(diagnosis procedure combination: DPC)データを用いてわが国における新生児DICについての疫学研究を行った.診断群分類研究機構にデータが提出されている1,474施設に2014年4月1日から2016年3月31日の間に入院し,入院時年齢が0歳かつ新生児特定集中治療室管理料を算定している児を対象とした.「主傷病名」,「入院の契機となった傷病名」,「最も医療資源を消費した傷病名」,「2番目に医療資源を消費した傷病名」,「入院時併存症」,「入院後発症病名」のいずれかにinternational classification of disease(ICD)-10上で播種性血管内凝固(D65),新生児播種性血管内凝固(P60)が登録されている症例を抽出した.78,073例が対象となり,新生児DICの発生数は1,864例,発生率は2.4%であった.男女差は認めなかった.出生体重別では1,000 g未満では9.8%と有意に高く,在胎期間別の検討で28週未満では10.2%がDICを発症していた.DICを発生した症例の平均在院日数は69.5日とDICを発症しなかった症例の32.6日と比較して有意に延長していた.全死亡数は1,156例(1.5%),DIC発症群では262例/1,864例(14.1%)で,DIC非発症群の894例/76,209例(1.2%)に比較して有意に院内死亡率が高かった.本研究はDPCデータを用いたわが国における初めての新生児DICについての大規模疫学研究報告である.新生児DICの発症は予後と強く関連し,より未熟な児ほど大きな影響を受ける.

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© 2019 産業医科大学
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