精神科看護の現場で他者からの支援が精神科看護師の技術力自己評価に与える影響を明らかにするため,対象県内の精神科看護師に質問紙調査を実施し,578名から有効回答を得た.職場の上司,先輩,同期,後輩,他職種の5タイプの他者に対し,因子分析によって支援因子を抽出した.その結果,多様な年代の看護師で構成される精神科看護の現場であっても,日本企業の職場における若手と中堅社員を対象にした先行研究と同様の支援の構造をもつことを明らかにした.また,技術力自己評価は,先輩からの精神支援および他職種からの業務支援を受けている者ほど高く,同期による精神支援を受けている者は低くなっており,精神科看護の現場での他者支援の効果を明らかにできた.精神科看護の現場は上司からの支援がもっとも大きいが,先輩や他職種からの支援を拡大する方向に改善する必要があることがわかった.