抄録
酸化エチレンを吸入暴露させたラット尿中代謝物の同定を試みた. 7-8適齢のWistar系雄性ラットに酸化エチレン500ppmの濃度で6時間暴露し, 暴露後18時間の尿を採取した. ガスクロマトグラフ-質量分析計を用いて分析した結果, エチレングリコール, 2-ヒドロキシメルカプツール酸, 2-メチルチオエタノール, 2メルカプトエタノールなどが検出され, 吸入された酸化エチレンは生体内で水解反応を受けエチレングリコールを生成すると同時に, グルタチオン包合され, メルカプツール酸として尿中に排泄されることがわかった.