抄録
Legionella PneumoPhilaは肺炎の起炎菌であり細胞内寄生性を示すことで知られている. モノバクタム系抗生物質のazthreonamとcarmonamがLegionella感染症に有効であるか否かを調べるためにまずL.pneumoPhila, philadelphia-1株のin vitroにおけるこれらの薬剤に対する感受性について検討をした. Azthreonumのこの菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)は菌数により異なり1.4×104CFUの場合12.5μg/ml, 1.4×105CFUの菌数では25μg/mlであった. しかしcarmonamのMICは菌数にかかわりなく25μg/mlであった. さらに両薬剤ともモルモット腹腔マクロファージ内での菌の増殖は100μg/mlの高濃度でも抑制しなかった. 以上の結果よりモノバクタム系抗生物質はLegionella感染症に無効であることが推察された.