住宅建築研究所報
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明治期建築規制関係地方令規が期待した住宅建築の環境条件に関する研究
斎藤 和夫赤﨑 弘平
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1987 年 13 巻 p. 245-254

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抄録
(1)研究の目的 市街地建築物法(大正8年)制定以前のわが国建築規制は,各府県や警視庁,北海道庁の地方警察命令としての令規にもとづいて行なわれていた。ところがこれらの令規はばらばらに制定実施されたこともあって,従来殆ど体系的に把握されていなかったため,筆者らはここ数年来資料の収集に努め,できるだけ体系的な把握に努力してきた。ただしこれらの令規が規制結果として期待する環境条件については未着手の研究分野として残されてきた。そこで本研究は「明治期建築規制関係地方令規の内,特に建築そのものに関する令規(明治期建築規則という)をとりあげ,どのような環境条件を結果的に期待していたか明らかにする」ことを目的として実施された。 (2)研究の内容 予備的調査として当時の市街地状況の把握のため関係する地方の市街地地図を収集し,当時の市街地住宅の形状の把握のため文献・資料の収集につとめた。その結果,当時の市街地の多くは道路の間隔が大きく街区内は殆ど路次で構成されていること,そしてその路次につながる住宅建物は殆ど長屋形式でつくられその平面,断面にも特徴のあることなどを明らかにした。本調査として明治期建築規則の詳細な分析を行ない,特に建物の形態規制についての分析結果などから,明治期建築規則にしたがう“想定建物”の設定を行なった。この想定建物が並び建つ条件を各種仮定して,それらの建物が受けることのできる日照時間と路上の天空率の算定を天空図の作成によって行なった。 これらのことから,路次幅9尺以上の規定にしたがう場合平屋を前提にある程度の環境水準が結果として保たれること等を明らかにした。
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© 1987 一般財団法人 住総研
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