住宅建築研究所報
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地域における住宅需給計画支援モデルに関する研究(1)
川上 光彦西田 康隆鹿毛 達也鈴木 伸夫畠 茂雄
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1987 年 13 巻 p. 271-284

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抄録
 近年,各地域でよりきめ細かな住宅政策が追求され,気候,風土,伝統といったより高次の計画理念の具体化への方策が試みられてきている。このようななかで,住宅政策立案を支える住宅需要および,供給構造の把握やそれへの計画的展開のための手法はまだ十分ではなく,科学的な手法を含め,一定の住宅需給圏域に対応した「地域」を対象とする計画理論の充実と質の向上が重要であると思われる。本研究は,そのような地域を対象として住宅需要の的確な把握,およびそれに対応した住宅供給計画立案のために用いることのできる数理的モデルを開発し,それらの適用事例を通じて,住宅政策立案のための計画支援モデルとしての適用可能性,実用性,限界,問題点などを追究しているものである。具体的には,まず戦後の住宅政策の中心となってきた住宅建設計画に用いられてきた計画手法を概括するとともに,現行の住宅建設計画の方法を検討している。そのうえで,住宅需給計画を支援することのできる5つのサブモデルの開発,提案を行っている。それらは,①住宅ストックの維持・更新に関して経済的最適性からアプローチしようとするもの,②住宅の敷地規模とその利用面積の分布構造を扱っているもの,③住宅の居住構造を予測しようとするもの,④新規住宅供給による住み替えの連関性を定式化しようとするもの,⑤その住み替え連関モデルを用いて線形計画法による最適住宅供給を求めようとするものである。モデル開発にあたっては,現実の計画への適用可能性を高めることからも,既存統計資料である住宅統計調査,国勢調査,住宅需要実態調査,および,一部の業務資料の活用を基本としている。なお,研究は2ヵ年度にわたり行い,ここではその1として報告するものである。
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© 1987 一般財団法人 住総研
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