抄録
本研究ではマカオ,上海,ペナン島ジョージタウンを対象とし,歴史的住環境の「再生」の現況把握,「活用」のためのデザインコードを得ることを目的とする。建物や外部空間を歴史的な空間遺構として包括的に捉え,①歴史的建造物の改修時の転用用途(マカオ)②外観保存に対する計画的配慮(マカオ)③里弄住宅の路地空間の使用形態(上海)④里弄住宅の内部空間の使用変更に伴う路地空間の変容(上海)⑤ショップハウスによって構成される街路の空間特性(ペナン)⑥ショップハウスの形態構成の原理(ペナン)を把握した。歴史的住環境の「再生・活用」には画一的な手法はなく,各都市に固有の空間形態に適応させることの重要性を指摘した。