抄録
賃貸の多世代コレクティブハウジング事例を対象とし,居住者組織の質的発達過程における支援組織の成果と課題を明らかにし,欧米の先行事例と比較しながら参加・共生型集住形成における居住者支援組織の役割や支援方法を考察することを目的とした。計画・建設期は,暮らしの理念の明確化と共有化による問題解決,モデル事例の提示と学習,豊富な対話と協働の場の設定,組織形成のためのファシリテーション,専門的技術支援の有効性を認めた。運営期は,居住者組織と事業主への第三者的支援,他事例や専門家とのネットワーク支援の必要性を示した。