抄録
ALS患者と家族の生活実態とすまい方について考察した結果,1)在宅療養生活の最たる特徴は家族の10年間にも及ぶ介護時間である事,2)ALS患者は,病状の進行のよってすまい方が変化し,人工呼吸器の装着が転機であること,3)ALS患者のすまい方は,意思表示の可否によって大きく影響を受けている事がわかった。以上より,病期とすまいは一緒に検討されるべき課題であると思われる。また,身体の自由を奪われた患者にとっての意思伝達は,QOLと密接に関係しており,従来の動線計画に加えて,コミュニケーション環境も考慮する必要があると考えられた。これらの知見はALS患者の変容を連続的に見る事によって,初めて明らかに出来たものである。