2007 年 33 巻 p. 369-380
本研究は,戸建住宅団地内の夏季暑熱環境への影響要因の把握とこれを緩和する最適設計に対する知見を得ることを目的に,CFD連成数値解析に基づく屋外温熱環境評価手法を用いた分析を行った。本論文前半では暑熱環境形成因子として敷地利用の影響を詳しく分析した。その結果,温熱快適性の良好な団地内屋外空間を形成するために「風の道」を生成するためにはオープンスペースを集中的に配置すると共に卓越風向による流れを誘引しやすい建物配置を計画する必要があること,が明らかとなった。この知見を踏まえ本論文後半では,遺伝的アルゴリズムGAと前述の屋外温熱環境CFD解析を連成した手法を用いて「風の道」の最適設計を行なった。