2008 年 34 巻 p. 255-266
本研究では大都市の事例として大阪,地方の事例として鳥取を取り上げ,母子世帯の住宅事情及び住宅確保の実態について考察した。その結果,最低居住水準の達成率や住居費負担率については鳥取県が大阪よりも良好だが,両地域ともにこれらの結果は一般世帯よりも低位にあることがわかった。また,いずれの地域においても,母子世帯に対する住宅支援の不備から,母子世帯は離婚等を期に転居する割合が高いが育児や経済的問題から住宅確保が困難となっている事実が明らかとなった。本稿では,鳥取県のDV被害者に対する住宅支援についても検討している。