2010 年 36 巻 p. 447-458
本研究は,近年急増している超高層マンションに,これまで高層居住に適さないとされてきた子どものいる世帯の入居が増加していることに着目し,子どもを育てる・子どもが育つという視点から超高層居住を考察するものである。研究の第一段階では,過去11年間に大阪市で民間分譲された20階以上の高層マンションの情報分析から,コンパクトな敷地に高層棟がピンポイントで建設された都心部集中型の供給動向を示した。第二段階では,実際に超高層マンションに住む子育て世帯の居住実態と意識を探り,物的特徴と照合しながら都市部の子育て層の住宅として超高層マンションの住環境を考察した。