2010 年 36 巻 p. 269-280
民間共同住宅の歴史が長い欧州諸国のうち,フランス首都圏の伝統的管理主体である住宅管理人,ガルディアンを通して,民間共同住宅に適した管理思想を反映した管理体制の検討を行うことを前提としている。本研究では民間共同住宅に適した管理思想に裏付けられた伝統的管理主体の現代的評価と,今後の在り方を検討するために,ガルディアンの形成過程と居住者評価を通して,ガルディアンの本来の役割と現代的役割を把握した。さらに民間共同住宅の伝統的管理主体であるガルディアンが,社会住宅に導入されている現状を捉え,民間共同住宅のガルディアンと合わせて総合的に見ることで,民間共同住宅のガルディアンを現代的に再構築する知見を得た。