2010 年 36 巻 p. 281-292
本研究は住宅における真菌汚染問題,所謂カビ汚染問題の対策を行う上で過大な負荷無く適用可能な数値解析をベースとした真菌汚染予測法を提案することに主眼がある。研究は基礎実験データ収集と数理モデル開発・数値解析の大きく2段階で実施し,真菌による菌糸成長速度,コロニー形成速度の詳細測定とロジスティック成長モデル作成・検証用の基礎データの収集を行うと共に,流体数値解析による真菌胞子移流・拡散予測の壁面境界と連成して適用可能な壁面表面での真菌増殖を再現する反応一拡散モデルの開発と予測精度検証を行った。